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2006年01月17日

平和について(コメントへの感想)

沖縄だけが基地負担の重圧を受けている」というネガティブな被害者意識だけでは、沖縄の未来は切り開けないと思います。
むしろ、その負の要因を何とか転じてみようというポジティブな未来志向こそ大事なのではないでしょうか。

基地を迷惑施設と見て排斥しようとする意識は、「他民族(他宗教)とはうまくやっていけない。他民族を追い出しさえすれば平和になる」という意識を導きかねません。
私は、そのような意識こそ戦争の源になると思います。

基地は無論、怖いですよ。低空で着陸態勢に入る戦闘機をまじかに見るとき、あれが事故って、こちらに突っ込んで来るかもしれないと恐怖に苛まれる(さいなまれる)こともあります。
でも、だからと言って、他の地域にこの恐怖を押し付けようとは思わないし、この恐怖感で慰謝料なり迷惑料を請求しようとも思わないです。
(そのような意図で補助金を獲得しようという浅ましさも嫌です)
このような恐怖と向き合っているからこそ、平和の大切さを忘れまいと自省する材料に転化すれば良いのです。
できれば、あれが戦闘機でなく救援物資を積んで被災地に向かう輸送機にしたいと思うだけです。
基地が救助訓練や災害復興訓練をメインとするような基地に内部変革したいと願っているだけです。

基地に危険があることは確かだし、被害が予想される住民が、その危険対策に万全を要求するのも当然です。でも、基地被害と全く関係のない南部地域の人が基地の撤去を叫ぶのは、単なる政治イデオロギーの押しつけにすぎないでしょう。私は北谷町に住んでいますが、基地被害を過重負担だと思っていません。しかし、過重負担と感じる人がいれば、その人の移転費用の補償などで対応すべきと思います。被害がある、即、基地撤去すべしという論理では、基地で生計を立てている人を無視しすぎることになるでしょう。車は排気ガスで空気を汚す、即、すべて車を廃棄せよと言う論理が成り立たないのと同じでしょう。

私は軍事力のみで平和が維持されるなんて思っていませんし、兵士ですらそんなバカげた妄想を持っていませんよ。
むしろ兵士達こそ「戦争」が嫌いと思っている人が多くいるのが現実でしよう。
兵士達にはカトリーナ台風で判明したように、車すら所有できないような低所得階層、兵士にしかなれない社会的弱者が多くいるのです。彼らは戦争が好きで兵士になったのではなく、生活のために兵士を選ばざるを得なかったのです。無論、中には聖戦気分で正義のヒーローに取り憑かれた愚か者もいるでしょうが、だからこそ、沖縄で彼らを「教育」する使命があるのです。
「平穏」になるだけなら、基地を撤去すれば足りますが、本当の「平和」のためには、彼らと付き合い、彼らに平和の種を植え付けねばならないはずです。
それを避けて安楽な道を選んだら、それこそ沖縄戦での犠牲者たちが浮かばれません。

「基地を撤去しないで、内部変革なんぞ、それこそ夢物語にすぎない。」と批判される向きもあるでしょう。確かに、個人的な兵士との交流より、政治的な支配力学の方がドラステックな効果がありそうです。
しかし平和主義が政治勢力と結び付くと、とたんに嫌らしい自己宣伝の場、自分たちの勢力維持の手段に化けてしまいます。

兵士達の内部変革は時間はかかりますが、一番確実で効果があるのです。戦争を無くそうという試みは人類が長年追い求めてきたものです。
そんなに簡単に実現できることはありません。50年先100年先のことを見据える構えが必要です。
でも、例えば、米軍兵士たちの退役は38歳から始まる訳です。(18歳入隊で20年勤務。下士官候補は別)
彼らが退役した後も、現役社会人世代として、米国社会の中核を担うのです。
沖縄で学んだことが、彼らを通じて米国の世論や社会意識形成に影響をあたえる可能性が大きいのです。
沖縄を第2の故郷と感じるような温かいもてなしと印象づくりこそ、平和運動の礎です。
鉢巻姿で彼らに背を向け、怒りの拳を突き上げることが、如何に愚かで本当の平和運動の妨げになることか....嘆かわしいです。
無論、米軍人とだけ仲良くなっても意義は大きくありません。イラクのテロリストや北朝鮮の人たちとも交流を深めるべきです。
「そんな対話や交流は子供じみている」と政治家たちは髙笑いするだけでしょう。政治家は自分の手柄や業績になりそうにもないことには目も向けません。
しかし、語学の壁さえ取り外せば、インターネットでお互いの意思伝達が自由な時代になっているのです。仮に、世界各国の言語で自由に翻訳できる語学のスペシャリストたちを200人常駐できるような設備を作り、政治家以外の各国の一般人のあらゆる意見や考えをお互いに伝え合えるような交流組織が沖縄にできれば、どれほど平和に役立つことでしょう。
平和はイデオロギーの押し付けでは構築できません。生身の声と意見を吸い上げ、お互いの誤解と偏見を取り除く地道な対話の努力だけが平和建設の鍵です。


次に、沖縄経済の自立のためにも、沖縄軍人たちのこの第2の人生が役立つはずです。
沖縄県は金融特区構想として、沖縄を香港やシンガポールなどに真似て活性化を企画しているようですが、国際化すらできない地域に未来はありません。
香港・シンガポール・マカオなど何れも多国籍対応で当たり前のように英語が通じる地域ですよ。沖縄が免税とかの制度だけをどんなに真似ても、これらの地域に太刀打ちできるわけがありません。
東京にどれだけの在留外国人がいるか、ご存知ですか。約27,000人です。開発途上国からの出稼ぎ者ばかりだろう?って。とんでもありません。専門的・技術職者が10,000人いるのです。
日産自動車、マツダ、SONYなど外国人経営者すら珍しくない時勢です。経済発展している地域も会社も例外なく、国際化を成し遂げた所なのです。沖縄のような島で、これだけの人口を養える産業をどうして構築できるのか、それを考えたときに、この基地との交流財産こそ沖縄活性化の鍵であると断言できます。基地以外の沖縄の特質など、聞いたこともありませんし、基地に代わる具体策など示されたこともありません。

基地を人里離れた辺鄙な場所に移すことで、事故などは減るかもしれませんが、経済的にも、平和のためにもメリットはありません。彼らの基地内住居をすべて基地外民間地域に移し、地元との交流・特に青少年の語学教育に沖縄関連予算をつぎ込むことが、沖縄のために大事な施策です。


沖縄を攻めに来た「侵略者」が居座り続ける「悪魔の島」というレッテルを貼られたことに、「愚痴」や「怒り」をぶつけてみても問題が解決することはないでしょう。
私は「鬼」が居座る「鬼が島」であっても、『今まで人間とは相容れないと思われていた「鬼」とすら平和に共存できるという奇跡を世界に実証しよう』という前向きな努力をするべきだと考えます。

余談ですが「桃太郎」の続編にあたる「鬼が島の李太郎」という感動的な物語を見つけました。
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Gaien/7211/Japanese/sumomotaroj.html
とても含蓄のある大人のための創作童話です。



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Posted by 基地共存推進会 at 00:32│Comments(0)基地との共存で平和構築を
 
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